一般には、この病態は、重量物を持とうとした時などに激しい腰痛が起こって立っていることさえ大変になることをぎっくり腰の通称で言います。病院では「ぎっくり腰」は、急性腰痛症といい腰の部分にいきなり痛みが発症する病で筋膜性炎症・関節捻挫・筋肉の損傷などの症状をさします。急性の筋・筋膜性腰痛の他、腰椎椎間関節捻挫、腰椎椎間板ヘルニアや仙腸関節性腰痛などのような病態が多いが、ときどきスプラング・バック（棘間・棘上靭帯損傷）でも同種の痛みを発症する。発生要因等もいろいろであるが、主に運動不足や年齢などが考えられます。なお、腫瘍が原因で起こっている場合は、安静痛や夜間痛が起こることが多いので「ぎっくり腰」のように損傷の要因を断定できることは多くない。また最近では、原因を特定することができない腰痛を「非特異的腰痛」と呼ぶことがあり、ストレスの影響（側坐核）があるのではないかといわれている。

予防策としては、重量物など運ぶ際に足場の良くない所で不安定な状態で持つなどしないように心がけることや、極端に重いものはできるだけ持たずに済むように、荷物の収納方法を日頃から工夫しておくことも効果的である。また、睡眠不足でかつ過労ぎみの時なども発症しやすく、そのような状況に陥らないように予防策を講じるのもひとつの方法である。可能なら常日頃から軽い運動をして腰周りから背中にかけての筋肉全体が弱らないようにすることがあるていど有効です。

病院で行われる検査は、おもに、MRIとレントゲンです。整形学的検査をすることもありますが、最近ではMRIとレントゲンだけという事がおおいようです。ぎっくり腰は、レントゲンとMRIの診断を受けても原因は不明と判断される場合が多く、その原因には、脱臼、筋肉、骨折や靱帯のひどい損傷が無ければ、レントゲンやMRIなどの診断には写らない為、わずかな損傷に関してはレントゲンやMRIを受けても分からないということになります。「ギックリ腰」でレントゲンやMRIなどの画像診断をしても「骨には異常ありません」といわれるようです。

突然起こる「ぎっくり腰」の初期の対処法は、動かず安静にして患部を冷却することです。ぎっくり腰などの急性腰痛の多くは軟部組織（筋肉や靱帯）の損傷をともなうことが多く、傷めてすぐに動かないことと冷却することが大切です。ぎっくり腰の中には痛みはあるものの動くことができる場合も多くあります。だがしかし、ぎっくり腰の痛みは数時間をかけてちょっとずつ悪くなる場合がおおくて我慢すれば仕事ができるからといって動いてしまうと、のちのちぎっくり腰がひどくなる要因になります。軟部組織（靱帯や筋肉）の損傷がある可能性が高いということを考えて冷やすことで炎症を抑える効果があるといわれます。しかし、冷やしても疼痛が極端に減少することが無い為、痛みの減少を実感するほどのことはありません。

一般的に「ぎっくり腰」では、痛み止めを処方されます。鎮痛剤で「ぎっくり腰」の疼痛を抑えて自然に治るのを目指します。

湿布なども一般的に処方されます。だがしかし、ぎっくり腰のような急性腰痛では鎮痛剤の方が疼痛を軽くするにはいいようです。

疼痛がひどいとき、注射をします。痛む所の局部的な麻酔と背骨の神経に注射をするブロック注射があります。ブロック注射は疼痛に劇的に効くことが多いが時々医療事故も起こっています。

少し動くだけでも痛みを発する「ぎっくり腰」に、腰部を固定するコルセットなどはとても有効な対処法の一つです。痛む部分に負荷がかかると腰部を刺激して痛みが出るので、患部を固定してその動きを制限し痛みを軽減する。

病院の治療に加えて整体などの民間療法も「ぎっくり腰」の治療法として考えている人達もいるでしょう。整体でおこなうぎっくり腰の治療は、どのようなものでしょうか？整体というと骨をボキッってしているイメージが強いと思います。整体とは、一般的に関節の歪みを施術して身体を整える治療法です。「整体で施術をしたら帰りには疼痛は無くなって普通に歩いて帰ることができた」とか「たった一度の矯正で治った」などの話はよく聞きます。一般的に腰部を大きく損傷している「ぎっくり腰」には、ボキッとするような大きな力を加える治療はすることはありません。やさしくズレた脊椎を治療します。わずかな脊椎や骨盤の歪みでも腰辺りに疼痛を発することがあるようです。これらの場合には整体はすごく効果を発揮する。脊椎のズレや骨盤の仙腸関節などこの微妙な関節のズレを調整することで、激痛が一瞬で消失することがあります。ただし、「ぎっくり腰」のような急性の腰痛に対しボキボキするような強烈な修正をする整体に通うのは注意して下さい。中には、ぎっくり腰のような急性腰痛に対して過激な治療をして悪化することがあるのです。良心的な整体は、急性腰痛に対してどんな場合も強烈な施術を行うことはありえません。